シェ・パブロのピペラートとエスペレットの唐辛子
Chez Pablo
サン・ジャン・ド・リュズにある家族経営のレストラン『シェ・パブロ』。
奥様の作るバスク地方の郷土料理と陽気なパブロさんが作る和気藹々とした店の雰囲気が人気の繁盛店です。
パブロさん、決して押しつけがましくないのに、彼がコンダクターとなって、気が付くと他の客達と一緒に笑ったり、話したり、
店内に一体感が生まれて、温かい雰囲気にほっこりとしました。
ここで頂いたのが、バスク地方の郷土料理として有名な『ピペラート(Pipérade)』。
玉ねぎとトマト、そしてバスク地方特産のパプリカだけで作ったラタトゥユに、
ピマン・デスペレッド(エスペレット村の唐辛子)という辛みも香りもまろやかな唐辛子パウダーをふり、
バイヨンヌ産生ハムをのせて、溶き卵を流して半熟に仕上げたものです。
野菜の優しい味わいと、柔らかいパプリカの香り、
ふわっと半熟に火を入れた卵の食感とまろやかさ、
そしてコクのある味わいの生ハムのアクセント。
異国の料理ながら、どこかホっと落ち着く味わいです。
サン・ジャン・ド・リュズの町についてはこちらから

バスク地方の郷土料理『ピペラート(Pipérade)』

皿を下げに来たパブロさん、皿に残ったイカ墨ソースを、その皿にのった私のスプーンでキレイにすくい上げ、さりげなく私の口に持ってきた。反射的に飲み込む。美味しい。こんな事、サラッとやってしまえるキャラがいい。

魚のスープも滋味でした。


ピマン・デスペレッド(エスペレット村の唐辛子)は、バスクの料理には欠かせないスパイスです。ワインやチーズのように AOC (Appellation d’Origine Controlee) 表示があり、厳しい基準で、原産地の品質を守っています。

航海時代に南米からもたらされた唐辛子。雨が多く傾斜が多いエスプレット村の地形は、水はけがよい上に均一に太陽が当たるため、唐辛子を育てるのに適していたようです。 日本の唐辛子よりも大きくて立派なエスペレットの唐辛子は、こうして吊るされて売っています。 マイルドで爽やかな辛さを持ち、トマトや干し草に例えられることもあるという独特の香りが感じられます。

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